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精神疾患(精神病)の介護体験ブログ

統合失調症と乳がん(全身転移)66歳の母の介護

 

母は38歳の時に乳がんになり、右乳房全摘出手術をしました。
その後転移はなく7年が経過し、おだやかな生活が戻ってきはじめていたのです。
しかしある日のこと、「隣のAさんが家の電話を盗聴している。」と言ったのです。

 

それから生活が一変します。
母の幻聴や幻覚、被害妄想はひどくなり、病院にも行きたがらず2年も経過しました。
母が病院に行くのをひどく拒否するので、父と私で診察を受けて薬をもらうのです。
医師は本人に会っていませんから、症状がどの程度かわかりません。
ですから処方された分量を飲ませて、副作用や症状が改善されたかどうかを父と私で医師に伝えていました。

 

薬は無職透明の水薬です。
味もしないと医師は言っていました。
薬だと本人が気づくと、「家族みんながグルになって、政府の陰謀にはめようとしている!」と警察を呼んだりして大騒ぎになるので水薬です。
本人がお茶や水を飲んでいる途中でトイレに行ったりしたときに混ぜます。
薬の量は微量なので、お弁当用の醤油入れにあらかじめ分けて準備していました。

 

 

それから母は、夜まったく眠らなくなり(夜は幻聴がひどくなるようです)、少し昼寝をして体力を戻すといった生活が続き、本人も体力的にしんどくなってきた頃です。
母の大好きな祖母(母の親)に病院に行くように勧めてほしいと頼んだところ、すぐに快諾!
今までの父と私の苦労はなんだったのかとガッカリでしたが、でも病院に行ってくれるなら良かったと思い、気が変わらないうちにと翌日病院へ連れて行きました。

 

2年かかってやっと本人の診察です。
でも、薬の調節がうまくいき統合失調症の症状はだいぶ回復されました。
その後も薬を勝手に飲まなくなったりして再燃を何度も繰り返しましたが、なんとか家族で見守りながら生活していたかんじです。

 

そして母が63歳の時、がんが再発したのです。
肺がんですが、38歳の時の乳がんの再発だそうです。
20年以上も経過して再発するのは本当にめずらしいが、他の原発が見つからないので再発と言われました。
向精神薬にガン治療の薬、1日に何種類もの薬をのみながら生活していた母に、今度は認知症状です。

 

物忘れがひどくなり、薬の飲み忘れが増えてしまい、また統合失調症の症状がひどくなってしまったのです。
国の組織の人に会うからと出かけたきり家に帰ってこなくて、警察に捜索願いをだしたこともあります。
そうなると、薬を父や私が管理すると言うと陰謀だと怒るので途方にくれました。

 

 

この時頼んだのが訪問看護です。
まだ介護保険の申請はしていなかったので、精神疾患の方で使える医療保険で頼みました。
制服を着た看護師の方の言うことは比較的よく聞いたので、本当に助かりました。
そしてとても優しく母に接してくれます。
父や私は母がおかしなことを言うと、「またそんなこと言って!」とイライラしてしまうのですが、
訪問看護の看護師の方は、みんなよく母の話をきいてくれます。
すっかり看護師の方を信頼した母は、看護師の方が来てくれるのをいつも楽しみみ待っていました。
なぜなら、統合失調症になってから、友人たちと会うこともなくなってしまった母にとって、話を聴いてくれる看護師の方は心のオアシスだったと思います。

 

そして、訪問看護師からすすめられたのが介護保険の申請でした。
再発の場合完治は難しい、きっと介護保険の必要な時がくるから今から申請しておくのはどうかと。
すすめられたまま介護保険の申請をして、要介護2の認定を受けました。

 

 

それからしばらくして、がんは全身の骨と皮膚への転移。
肺がんも進行していますので呼吸が苦しく在宅酸素が必要になりました。

 

この時、日中家族が不在になる日はデイサービスを利用しようと思い、母と見学に行きました。
母は歌がすきなので、歌のレクリエーションと手作業の多い小規模のデイサービスです。
そして利用開始になったたのですが、母は2〜3回しか行きませんでした。
やはり統合失調症があると、他の認知症の方の行動が気になるらしく、「あの人がトイレットペーパーを盗んでいた。」とか、「あの人がいつも見ているから嫌。」とか言って。
職員の方に伝えておいたから大丈夫だと説得しようとしても、もう気持ちは頑なでダメでした。
本当、統合失調症の介護は難しいですね。

 

その後家の中の段差解消やお風呂の改修を介護保険のサービスで行い、家族で介護をしました。
どうしても家をあける時に1泊のショートステイを利用しようとしたのですが、在宅酸素の方は受け入れられないと言われ、その当時自宅近隣の施設はすべて断られてしまったのです。
どうしようかと思っていた矢先に母は急変して入院。
そこから入退院を繰り返して、最期は病院で亡くなりました。

 

母が変なことを言うと、すぐにイライラしていまう自分に後悔が残っていますが、精一杯介護をしたと思っています。
今は母が飼っていた愛犬の面倒をみています。
こちらも人間の歳で92歳と高齢なので、そろそろ介護がはじまりそうです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

この時の利用した介護保険サービスなど

 

・訪問看護(医療)
・福祉用具レンタル
・福祉用具住宅改修
・デイサービス

 

 

家族で介護をする場合、他にどんな介護保険サービスを利用するのがよいか

 

・本人の被害妄想があるので、訪問系のサービスは難しいと思います。
・デイサービスも短時間の利用なら大丈夫だったかもしれません。
または人数の多い、少ないなどの検討も可能だったかもしれません。
人数の少ないところでは、他の方との距離が近くて視線や行動が気になるのかもしれません。
・ショートステイは家族のレスパイト(息抜き)の意味でも利用したいですね。
探すのは難しいかもしれませんが在宅酸素の場合は看護師が24時間体制でいる施設なら受け入れているところがあると思います。
酸素機器は、酸素業者が可能と言えば施設に搬入して使用できるので、問題は施設の看護体制によるものだと思います。

 

 

施設入所を検討するとしたらどこが最適か?

 

・統合失調症の方の場合は、老健(介護老人保健施設)に入所されている方が多いように思います。
他の方とどの程度うまく生活できるかも重要なポイントですが、薬の調整や状態の変化に早い段階で気づくことが大切です。
なので、常勤の医師いて、看護師が24時間体制でケアしてくれる老健をおすすめしました。
しかし、在宅酸素の方の場合は入所になると老健では難しいと思われます。
理由は、老健は入所者の医療費の負担をしなければならず、在宅酸素の処方は高額であるため赤字になってしまうからです。
今回の場合は、介護療養型医療施設への入所が最適だと思われます。

 

 

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